私達は普段クルマを使う時に何も考えないでカギを回すかスタートボタンを押してエンジンを始動させていますよね。
エンジンルームやトランクに収められている一見ただの箱であるバッテリーは実はとっても重要な役割を持っているパーツの一つです。特に最近のクルマは全て電子制御されていますので様々な機器に電気が供給されていてバッテリーは結構働いてます。バッテリーのトラブルは寒さによって性能が低下する冬場だけでは無くエアコンで電気を沢山使用する夏場でも起こりますが最近の物は性能が良くなっていて劣化に気づかずある日突然エンジンがかからなくなるというケースが増えています。JAFのロードサービス出動原因のトップはバッテリートラブルです。お盆の帰省渋滞でノロノロ運転でエアコン全開はバッテリーにとっては最悪の環境です。
体感的にバッテリーが弱ってきたと感じるサインは何か?
◆まずはエンジンを始動する時に弱々しい音がしてセルモーターが元気良く回らない
◆停車中にパワーウィンドウを上げ下げしてみていつもよりスピードが遅い
◆停車中と走行中(エンジンの回転数)でライトの明るさが変わる
◆ホーンの音が小さくなった
少し気を付けて接してあげていれば、実はクルマの状態から事前に感じ取ることもできます。
交換の目安は?
バッテリーは消耗品ですので一般的には寿命は3年程度です。クルマの使い方によって一概には決まってませんが、夜間走行がメインで昼間にあまり使わない、チョイ乗りが多い、渋滞している道路ばかり走っているような場合は寿命は短いです。少しでもエンジンの始動に違和感を感じたらその時が交換のタイミングだと思って下さい。
充電制御車やアイドリングストップ車両は専用のバッテリーがありますので交換時は注意してください。充電制御車とは無駄な発電を失くしエンジンの負荷を低減させ燃費を向上させているためフル充電されてない状態で電気を使う時があるので高性能なバッテリーを搭載しています。また、アイドリングストップ車両は、エンジン停止中でも電気を供給する必要があるため短時間で充電する必要がありこちらも高性能なバッテリーが必要です。
バッテリー本体が原因では無い場合も?
バッテリーに電気を充電する為に発電機(オルタネーター)という部品がありエンジンが動いている時にはこの部品により電気が発電されてバッテリーへ充電されていますが、万が一オルタネーターが壊れた時はバッテリーに充電されている電気を使い切ったらエンジンも停止します。
メーターパネル内にバッテリー・マークの警告灯がエンジンが動いているのに点灯した時は充電系統に何らかのトラブルが発生したというメッセージなので早目にディラーなどで点検してもらいましょう。
運が悪いと走行中に突然エンジンが停止してとても危険な状態となります。私も一度だけ体験しましたが、走行中にエンジンが突然停止すると具体的にはパワーステアリングが作動しなくなります。ある程度のスピードだったのでハンドルは重たいですがなんとか切り抜けました。これより怖いのがブレーキです。詳し説明は省きますがブレーキブースターというブレーキペダルを踏む力を倍増してブレーキへ伝える装置があるのですが、エンジンが停止するとこの装置が作動しなくなります。どういうことが起きるかと言いますと岩のようにブレーキペダルが固くなります。とにかく全力でペダルを踏み込んで路肩に停止しましたが冷っとしました。
充電してもバッテリーがすぐに減るような場合、新品のバッテリーに交換してもすぐに減るような場合は早急に整備工場やディーラーで点検・整備してもらいましょう。バッテリー本体以外に原因があります。
バッテリーのメンテナンス
最近のクルマはメンテナンスフリーのバッテリーを搭載しているのでバッテリー液の補充は不要ですが、従来タイプの製品を使用している時にはバッテリー液の量を時々点検する必要があります。ロアーレベルに近づいていたら補充が必要ですが水道水は入れずカー用品店などで精製水かバッテリー補充液を購入してください。強化剤入りの補充液は内部の電極に悪影響を与える場合もあるので不要です。補充してもすぐに減ってしまう場合は交換をお勧めします。
メンテナンスフリーバッテリーについては基本的には補水の必要はありません。点検用の窓がありますので説明書を見てバッテリーのコンディションを確認してください。
バッテリー交換は作業自体は難易度は低いですが問題は古いバッテリーの処分です。鉛が入っているのでゴミとして回収している自治体は無いと思います。ご自分で交換される場合は購入店にて引き取ってもらえるか事前に確認して購入してください。通販で購入する場合は引き取り方法について明確に明記してある店舗を選びましょう。また、ご自分で交換される時は金属工具の取り扱いには十分に注意してください。万が一プラスのターミナルと金属が接触するとショートして大変危険ですよ!!