高齢者の地方移住にメリットはあるのか?

住む・暮らす

昨今、高齢者が引き起こす悲惨な交通事故も増加しているようですが完全にクルマ社会となっている地域への地方移住は十分に検討されるほうが賢明ではないでしょうか。多少の不便には目をつぶっても運転に自信が無くなった時にクルマを利用しない移動手段があるのか?田舎暮らしが目的であれば本数が少なくても路線バスは運航しているのか確認しておく必要はあると思います。

また、移住時には健康面に問題も無くセミリタイアされて何らかの方法で収入を得て現役世代と変わらないアクティブな方、完全リタイアされて第二の人生をどのように生活するか思案中の方も個人差はあると思いますが数年後、十数年後にはいつ要介護状態となるかは判りませんので40代までの方と比較して最初に気になるのはやはり医療・福祉体制ではないでしょうか?

ここでは地方と都心部での医療体制・移動手段・地域のコミュニティーなどの違いについて考えてみたいと思います。

スポンサーリンク

医療・福祉体制

単純に三大都市圏の利便性が高いとは言い切れないと思います。もちろん過疎地域と比較すれば病院や施設の数は都市部は多いでしょうが人口も多いので決して足りているとは思えないし高齢化によってますますこの傾向は続くと思います。また、介護職に就く職員の数も慢性的に不足して厚生労働省の発表によると団塊の世代が75歳以上となる2025年には人手不足は悪化し、需給のギャップは東京都が全国1位で35,751人の不足、大阪府は2位で33,866人の不足が見込まれるそうです。

詳しくはこちらの厚生労働省の「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_2.pdf

地方でも自治体によっては医療機関や介護施設が充実している地域もありますので希望するケアが受けれる施設や体制が移住検討しているエリアにあるか事前に調べておくことが重要と思います。ご自身が受けたいサービスが今住んでいる地域に無いのであれば、地方移住を前提に考えれば全国から選ぶことができるので選択肢は拡がりますよね。

極端ですが生命の危機が切迫している状態と判断されれば過疎地域でもドクターヘリを運用しているエリアもありますので、田舎暮らしをご希望の場合は万が一の為に事前に確認しておきましょう。例として福岡県の久留米大学病院のドクターヘリは福岡県・佐賀県の全域と大分県の一部へ出動するようです。ただし、ヘリコプターは有視界飛行での運航なので夜間・悪天候時には飛行できないようです。

地方での医療環境について重視する場合はこちらも合わせてお読み下さい。

地方移住と医療
リタイアしてこれから悠々と第二の人生を始めようと思ってる高齢者の方、 家族が増えて子育て中のファミリーの方、 空気のきれいな場所で病気の治療に専念したい方など 人生のステージにおいて各ご家庭で重視する住環境は様々だと思います。 移住場所の選...

地方での移動手段について

東京を例とすれば網の目のように地下鉄が走り、私鉄からの乗り入れも充実しているので郊外からのアクセスも良く自ら自動車を運転する必要は無いと思います。ただし、特に新しい地下鉄路線ではホームが相当深い場所にあるので地上から電車のドアに辿り着くまではエスカレーターがあればいいですが結構大変です。その点バスは気軽に乗り降りできますが、時間帯・天候によっては交通渋滞が激しいので到着時刻は読めません。都心部に住みフルタイムで働いてないのであれば、通勤ラッシュの時間帯にあえて移動することは無いと思いますが万が一乗り合わせてしまったらかなり過酷な環境は避けられません。

一方、公共交通機関がバスやタクシーしか存在しない地方では自家用車が無いと不便であると思いますが時間に余裕があるのであれば考え方を変えてみたらいかがでしょうか?自ら交通事故というリスクを背負って自動車を運転するより読書でもしながらバスを待っていたほうが私はいいと思います。

都心部か地方かどちらにメリットがあると一概には言い切れないですが、三大都市圏を除いた政令指定都市を選択されれば移動に大きな不便を感じる事無く豊かな自然も近くにあるというイイとこ取りができますので田舎暮らしに不安がある方にはまずは地方都市への移住を私はお勧めします。

利便性も重視しつつ地方移住を検討している場合はこちらも合わせてお読み下さい。

利便性を活かして地方都市に住む
東京・名古屋・大阪など三大都市圏に住まわれているあなたが急に不便な山村部などの田舎暮らしに挑戦されると、その地域の習慣・風習・行事への参加などでコミュニティーへ溶け込めず逆にストレスを感じて結果的に長続きせず失敗してしまうケースもあります。...

人との繋がり

個人差があると思います。私は一人でも楽しく遊べるタイプでストレスを抱え込むこともあまり無く新しいことを見たり聞いたりすることが大好きです。外食する時もいつもの店では無く新しいお店を開拓することが大好きですが、私とは異なり決まったお店で食べることが落ち着く方もいらっしゃると思います。移住となれば旅行とは異なりますので知人、友人とも今までのようには頻繁に会っておしゃべりなどは出来なくなります。また、かかりつけの医者ともお別れとなりますが、逆に考えれば新しい場所で新しい出会いもあります。住み慣れた街を離れて暮らすことができるのか不安な方も多いと思いますが、趣味やボランティアに参加して気が合う人がいれば徐々に知り合いを作っていけばいいと思います。新しい価値観や新しい生きがいが発見できるチャンスもあります。

結論としては地方と都心部のどちらが高齢者にメリットがあるのか一概には決められないと思います。どちらも一長一短でメリット、デメリットがあります。あなが住みたい場所に住めばいいと思いますが「住み慣れた」と「住みやすい」は違う町だと私は思っています。あなたにとって「住みやすい町」とはどのような条件なのかじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

地方移住は全国各地の中からあなたの目的にあった地域を選ぶことができるので高齢者にとってもメリットはあると思います。実現したい目的のために地方移住が必要であれば早めに情報を集めたり準備すべきだと思います。自分の人生は自分で決めて大いにセカンドライフを楽しみましょう。体力面では明らかに若い時と比較すれば落ちていると思いますが若年層には無い今までの豊富な経験は移住後の生活にきっと役立つと思います。

タイトルとURLをコピーしました