先日、用事があって知り合いの賃貸マンションにおじゃまして驚きました。そこは私には聞きなれないURというマンションでした。立地条件も悪くなく外観もおしゃれな建物でしたが「独立行政法人都市再生機構」という公的な機関が母体だそうです。新築では無いですが共同玄関はオートロックでお部屋の壁紙もリフォームされていてとても明るくみえました。
後日気になって調べてみたらURとは昔のいわゆる「公団住宅」なんですね。私は公団にはあまり良いイメージを持っていませんでしたが考え方が全く変わってしまいました。中には古い建物もありますがリノベーションされて室内はオシャレな物件もあるようでライフスタイルに合わせて様々なタイプから選ぶこともできるようです。
そしてURとはなんと都市公団から受け継いだ部屋を全国で約77万室も所有している巨大な大家さんだったのです。都市再生機構を英語でUrban Renaissance Agencyと表記するそうで、その頭文字をとってURらしいです。
民間の賃貸物件には無い4つの不要は大きなお得
引越し時には何かと出費が重なりますがURはとってもお得で入居時の初期費用負担が軽いので余裕をもった資金計画を立てられます。また敷金は必要ですが退去時には返金されますので実質的には家賃・共益費以外の費用は発生しないのではないでしょうか。
礼金不要
民間の賃貸マンションなどでは契約時にオーナーに礼金として家賃2ヵ月を分を支払うのが一般的ですがURには礼金という制度が存在しませんので0円です。
仲介手数料不要
通常は賃貸住宅を借りる場合は不動産屋に仲介手数料を家賃1.08ヵ月分(消費税含む)支払いますがURの場合は直接UR営業センターで契約するので0円です。また、仮にURに強い不動産屋さんを通して申し込みしたとしてもあなたに仲介料の支払いは発生しません。なんとURがあなたに代わって不動産屋さんに仲介料を支払ってくれる「あっせん(紹介)制度」がある為です。
保証人不要
家族などの身内でも保証人を頼むのは気が引けますが不要なのは気が楽ですよね。民間の賃貸でも保証人不要の物件はありますが、その場合は保証会社を利用することになるので保証料が必要となります。
■家賃80,000円として契約時の費用を比較してみる(共益費は計算に入れていません)
民間の賃貸物件
基本的には家賃の6.08ヵ月分が必要です。内訳は礼金2ヵ月+敷金2ヵ月+仲介手数料1.08ヵ月(消費税含む)+前家賃・共益費1ヵ月です。家賃80,000円で計算すると民間の場合は6.08ヵ月分だけでも486,400円。これに1日に入居で無い場合は日割りの家賃・共益費が加算されます。更に保証会社を利用すると保証料、火災保険などに加入が条件となっている物件であれば損害保険料が必要となり総額500,000円は超えるでしょう。この内の約半分の礼金・仲介手数料である246,400円は戻って来ないお金です。
URの場合
敷金2ヵ月+前家賃・共益費の日割り分のみなので初期費用は160,000円+日割り分のみです。利息は付かないですが敷金の160,000円は通常の使い方をしていれば退去時には返金されますので大変お得です。
更新料不要
民間の賃貸住宅だと2年に1回訪れる契約更新料ですが地域によっては家賃の1ヵ月分が必要な物件もあります。仮に家賃が80,000円だった場合ですが月に3,333円貯金しておかなければなりません。実質の家賃が83,333円ということですよね。これの更新料という制度がURには無いので永く住めばかなりお得になります。
その他のメリット
敷金引継制度
次の引越し先もURで現在住んでいるURよりも家賃が安い場合は、入居契約時に必要な収入額を確認する書類の提出は不要で敷金も引継げて一時的な立替も不要なのでラクラク引越しができます。三大都市圏のURに住んでいるのであれば、ほぼこの制度が利用できると思いますので手続きはかなり楽になります。賃貸のメリットは実際に住んで気に入らなかった場合にすぐに引越しができることですが、URからURの引越しであればそのメリットを最大限に活用できます。
退去時の原状回復費用に不明点無し
通常の利用方法による経年劣化での損傷についての現状復旧費用はURの負担なので民間のような不透明な請求はありません。退去を連絡すると専門の査定士の方が傷み具合を見に来てくれます。平成26年度上半期に退去された方の平均負担額は約26,000円だったそうです。
URのデメリット
たくさんのお得なメリットがあり全国で約77万室を所有しているURですがあなたの希望の移住先にあるとは限らないのでwebサイトでチェックしてみましょう。田舎暮らしの地方移住では無くて地方都市への移住を狙っている方には以上の理由から私はお勧めします。ただし、ペットの飼育はほとんどの物件は禁止なので動物好きの方は難しいと思います。
仮にあなたが選んだ物件に失敗があったとして再度引越しを考える場合に、次もURから選ぶのであれば掛かる費用は引越し業者への支払いとカーテン代ぐらいなので大きなダメージを受けずに躊躇なく移動できることは精神的に大きな余裕があると私は思います。賃貸住宅でストレスフリーに地方移住を楽しむにおいて是非URの物件も候補に入れてみたらいかがでしょうか。