別名「年金カット法案」とも言われる「年金制度改革関連法」は賛成多数で
2016年12月14日に国会で可決されました。
少子高齢化が急激に進み今までの年金制度には無理が生じるようですが、
私達にはいったい
どのように影響があるのでしょうか。
今のところ主な変更点は以下の2つですが都合が悪くなれば?
改訂されるでしょうから今後も注目してみたいと個人的には思っています。
年金納付者の実情に支給額を合わせる賃金連動型へ
2021年より賃金が下がった場合は物価が上昇しても支給額は下がる場合があるということです。現行の制度では物価の変動について考慮がありましたが、新制度では物価は無視し賃金の変動率で支給額を変更するということです。インフレで物価が上昇しても働いている現役の給与が下がったら受け取る額が減額されるのです。受給者側も生活が苦しくなりますが納付をしている現役世代だけが苦しむのでは無く互いに痛み分けをすることにより、現役世代が将来受け取る予定の水準に影響が出ないように運営するようです。もちろん賃金が上昇すれば給付金も上昇しますが後述する「マクロ経済スライド」の強化により伸び率は抑えられます。
■物価の上昇と賃金の下落が同じだった場合(物価+1% 賃金-1%)
今まで 年金支給額の増減は 0%
新制度 年金支給額の増減は-1%
■物価は上がったが賃金は下がった場合(物価+2% 賃金-2%)
今まで 年金支給額の増減は 0%
新制度 年金支給額の増減は-2%
■物価も賃金も下落した場合(物価-1% 賃金-2%)
今まで 年金支給額の増減は-1%
新制度 年金支給額の増減は-2%
「マクロ経済スライド」の強化
2004年の改正で世代間の格差を是正する為に2007年から段階的に支給額を調整して減額する予定だったが、デフレ(物価が上がらない)を理由に実際に調整できたのは2015年に一回のみであった。そこで、2018年からは本来減額する予定だった分を累積しておいて好景気の時に消化できるように変更されることとなった。たとえるならば「逆キャリーオーバー」といったことでしょうか。過去に払い過ぎた分?を引かれて支給することができる制度です。
物価が緩やかに上昇すれば景気は良いので賃金が下がるということは考えにくいですが、仮に賃金が下がるという年金支給額が減る方向に変動したとしても年率では数%程度ですので、月額に換算すると数百円から数千円となりたちまち生活に困ることは無いと思います。しかしながら今後の年金制度に多くを期待することは難しいと思います。
かつてのジンバブエという国ではピーク時には年間インフレ率が2億3,000万%というハイパーインフレがありました。これは今まで1本100円で売られていた缶ジュースが1年後には230億円になるということです!?
日本では第二次大戦後に敗戦により大きな経済的ダメージを受けて一時的に100%を超えたこともありました。両国のインフレとなった原因は異なりますがどちらも、国の借金が多くなって借金の返済ができなくなるのではないか?そのような国の通貨は信用できないと世界の人々が思った時に発生します。ジンバブエの通貨のジンバブエドルは無くなってしまいました。通貨はただの紙ですので発行している国が保障して初めてお金として価値が生まれるのです。
このように物価が大きく変動することが起こるとは今のところ日本では考えにくいですが、金利上昇や増える赤字国債など様々な経済リスク、あるいは自然災害リスクが無いとも言い切れないと思います。あまり悲観的に考えることも無いですが、ご自身が想定している生活水準をキープするためには国の制度とは別に個人での対策も必要だとは思いませんか?まずは家計の収支バランスの見直し、サラリーマンであれば会社からの給与とは別にぜひ副収入を得る手段の構築、株式など金融商品の活用など準備をしておくべきでしょう。
今の生活レベルを維持しつつ生活コストを削減する方法は?
最も簡単な方法はズバリ地方移住です!!
収入部分となる年金は東京都に住んでいても例えば年平均気温16.5度ほどの温暖な瀬戸内海気候である日本三古湯の一つで3,000年の歴史を持つ道後温泉で有名な愛媛県・松山市に住んでいても受給額には何ら変わりはありません。有名な道後温泉本館は朝の6時から営業していて最も安い「神の湯・階下」であれば410円で入浴できます。
経験も無いのにこの年から「田舎暮らし」を始めなければならないのか?そんなの無理!!と思う方も大勢いらっしゃると思いますが、田舎の大自然ではなく地方都市に普通に暮らせばいいのですよ。家賃や食材などの物価も都市部と比較すれば格段に安いし、路面電車が走っている都市であれば乗り降りがバスのように楽チンですよ。例に挙げて申し訳ないですが東京の「大江戸線」のホームの深さといったら驚きますよね。エスカレーターはありますが若い時のようには体もついていかなくなると最悪は転倒してケガすることも考えられます。
雪に慣れていない方であれば歩行中の転倒、雪下ろし中に屋根からの転落などについても考慮する必要があるので間違い無く比較的温暖な地域を選ばれることをお勧めします。また外出する機会も減ってきて家にいる時間が多くなると思うので寒冷地より暖房費用も少なくて済むと思います。
都会での生活に疑問や不安を持たれていたらセカンドライフは地方移住で無理せず楽しむことも検討してみてはいかがでしょうか。
高齢者が移住する時のポイントをこちらの記事でまとめてみましたので合わせてお読みください。
