東京大学の客員教授である増田寛也氏のいわゆる「増田レポート」で「2040年には日本の約1,800ある市区町村の半分は消滅する」という衝撃的な報告がありました。
多くの地方自治体が生き残りをかけて地方から東京への一極集中という大きな人口移動の流れを今後逆流させることができるのでしょうか?地方の人口が減ることで税収入なども減って過去の夕張市のように財政破綻し行政サービスがマヒするのでしょうか?
この問題にとても私は注目していますが、戦後復興から高度経済成長の時代を過ぎて熟成期に入った日本は物質的な豊かさを追求していくよりも精神的に余裕がある社会へ方向転換すべきではないかと思います。人口が増えることがいいことなのか私の頭では判断しかねるテーマですが、地方が元気になることについてはもちろん賛成ですよ。
政治に対する批判や不満ではありませんが、東京の人口を減少させる施策は誰も考えないのでしょうかね。どんな思いで東京に人が集まるのか私には理解できないですが多くの人にとっては魅力のある街なのでしょうね。
私は自ら住む場所では無いと思って流れに逆らって移住を決めましたが・・・
第二次安倍政権の目玉施策の一つである「地方創生」の司令塔であるまち・ひと・しごと創生本部とは地方を元気にする以下のような活動を目的とする内閣に設置されている組織です。新しく地方創生担当大臣というポストが設けられ石破氏が起用され、法制化もされて「まち・ひと・しごと創生法」という法律も制定されました。以下は「まち・ひと・しごと創生本部のサイトからの引用です」。
人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、まち・ひと・しごと創生本部を設置しました。
現在、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局と内閣府地方創生推進事務局とが両輪となって、地方創生の推進に向けた施策に取り組んでいます。
移住前の情報収集
あなたの目的・ライフスタイルに合致している地域があれば各種支援制度を賢く利用して新たな土地で新たなスタートを検討してみてはいかがでしょうか?気になるエリアの地方自治体ホームページは徹底的に隅から隅まで覗いて調べてみましょう。
また、下記のサイトでは各自治体にリンクして様々な移住支援策を調べることができますので堅苦しいことは抜きにして事前に移住先を選別する時の情報収集にお役立てください。とても便利で使いやすく日本地図が好きな方ならいろいろ見ているとあっという間に時間が経ってしまいます。
まち・ひと・しごと創生本部の地方公共団体の関連ホームページへのリンク集はこちらからどうぞ。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/moving/index.html/
各自治体では移住に対する不安解消のために本格的な移住開始前に移住体験住宅の貸し出しをしていたり、就農支援をしたり、移住専門の相談窓口を設けたり、15歳以下の医療費無料など各自治体で様々な移住促進のための支援情報を掲載していますのであなたの気になる地域の情報を収集してじっくり考えてみましょう。
地方移住の支援制度として具体的な例を少しだけご紹介してみます。
起業・創業支援【長崎県平戸市】
鎖国前はポルトガルやオランダなどとの対外貿易の中心地でザビエルがキリスト教の布教を始めた場所として知られている歴史のある街として知られています。
自治体:長崎県平戸市
名称:ものづくり創業支援事業補助金
支援内容:製造業・情報通信業は500万円を限度として対象経費の補助/卸売業・小売業(無店舗小売業を除く)・宿泊業・飲食業・サービス業などは100万円を限度として対象経費の補助
お問い合わせ:産業振興部・商工物産課
http://www.city.hirado.nagasaki.jp/kurashi/industry/index.html
住宅購入補助金【山梨県市川三郷町】
甲府盆地の最南端に位置し駿河と甲斐を結ぶ重要な水路であった富士川の源流となる笛吹川、釜無川が合流する町です。
自治体:山梨県市川三郷町
名称:若者定住促進住宅補助金
支援内容:夫婦いずれかが40歳以下で町内に定住を目的として住宅を購入した場合に最高100万円の補助
お問い合わせ:企画防災課・企画係
子育て支援【徳島県つるぎ町】
各種の移住支援策が充実しているゆったりとした里山の町ですが特に子育て対策が充実しています。
自治体:徳島県つるぎ町
名称:つるぎ町出生祝金
支援内容:つるぎ町に住民登録をしていて出産日以降も引き続き居住することが条件で第1子3万円、第2子5万円、第3子10万円、第4子20万円、第5子30万円、第6子以上50万円が支給されます。
お問い合わせ:福祉課
移住お試し体験【北海道鶴居村】
特別天然記念物の丹頂鶴の繁殖地としても有名な釧路湿原を始め雄大な自然が豊富でありながら、釧路空港まで約40キロとアクセスが良い村です。
自治体:北海道鶴居村
名称:移住体験住宅
支援内容:夏季(5~10月)月額75,000円、冬季(11~4月)月額90,000円で水道光熱費込み・家電製品付き・インターネット完備の1LDK住宅に体験移住できるプログラムです。
お問い合わせ:役場企画財政課企画調整係
http://www.vill.tsurui.lg.jp/kurashi/jyutaku/tsuruinisumu/tsuruinisumu_06.html
まとめ
空き家バンクという制度は多くの市町村で実施していますが、これは空き家を有効活用するために移住・定住希望者に物件を紹介する施策で、ある市町村のサイトに掲載されていた物件にはこんなものがありました。
床延面積45坪の二階建て、車庫3台に家庭菜園ビニールハウス付きで家賃5万円
東京なら家賃○○万円ですかね。あなたなら、ここで何をしますか。通信技術の発達、LCCの出現により首都圏と地方都市の距離のギャップはかなり縮んだと思いますので、クラウドソーシングやECサイトの運営などベンチャーを立ち上げる拠点にしても良し、豊かな自然環境・無農薬で子供を伸び伸びと育てるも良し、リタイア後にホビールームを作り趣味に没頭するも良しとワクワクしますね。
日本の首都である東京に様々なリソースが集中することは避けられないことなのだと思いますが、やりたいことを見つけたら後はちょっとした意志があれば居住地はどこでも好きな地域を選択し、利用でる支援制度があればフルに活用して人生の旅を最大限に楽しみましょう。
何もそこを終の棲家にするとか、骨を埋める覚悟でとか、今まで大事に思ってきたことを捨てて引っ越すような堅苦しいことを提案しているのではありません。移住は人生という一度しかない旅をもっと充実させるための一つの手段です。